マーケティングにおけるインサイトという言葉はご存知でしょうか。

インサイトは商品やサービスの売上げを大きく左右する重要な要素であり、マーケターとして必ずおさえておく必要があります。

また、インサイトは潜在ニーズと混同されることが多いですが、実際は明確に違うものとなりますので、しっかり意味を区別しておきましょう。

当記事では、インサイトの意味から重要となる視点までお伝えしていますので、ぜひご覧ください。

インサイトとは?

インサイトは、直訳すると「洞察力、眼識、識見」という意味ですが、マーケティングにおいては、消費者すら気づいていない無意識の心理を指しています。

“消費者インサイト”、”顧客インサイト”と呼ばれることもあります。

抽象的な言葉でイメージがつきにくいですが、消費者を動かす隠れた欲求を指し、「直感的に欲しい!」と思わせるものこそインサイトというわけです。

インサイトと潜在ニーズは違うもの

よくインサイトと潜在ニーズは混同されることが多いですが、厳密にいうとこのような違いがあります。

  • インサイト:消費者がまだ欲求さえない状態
  • 潜在ニーズ:消費者に欲求はあるが、まだ気づいていない状態

例えば、ある消費者が”新しいテレビが欲しい”という顕在ニーズがあると仮定します。

なぜテレビが欲しいのかについて掘り下げると、「情報を知りたい」「家具のインテリアとしてほしい」「楽しい時間を過ごしたい」といった潜在ニーズが浮き彫りになってきます。

潜在ニーズはこのように消費者の内にすでに欲求が存在している状態です。

対して、インサイトはテレビを使ったり触ったりすることで初めて気づくことなど、まだ消費者すらその欲求に気づいていない状態です。

このように、消費者から一切欲求すら生まれていない状態のことをインサイトと定義しており、そのインサイトを探ることがヒット商品を生み出す上で欠かせないのです。

なぜインサイトを考える必要があるのか

違い
現代はすでにモノやサービスで満たされている状態なので、”購買に繋がるきっかけ”を明確に推し出さないと商品やサービスは売れない時代となっています。

消費者は、PCやスマホから「目に見える必要な情報」はほとんど調べることができますし、企業側はそれ以外のメリット、ベネフィットなどを考えることが重要となります。

その中でも、消費者にとっての「価値」や「体験」は以前よりも重要視されてきており、それを反映した商品やサービスを作ることが求められています。

つまり、消費者が「今求めていること」を考える必要があるからこそ、インサイトという概念を外すことができないのです。

インサイトを見つけるための重要な視点

重要なポイントの紹介
では、実際にインサイトを見つけ出すにはどうすればいいのでしょうか。

インサイトは消費者すら欲求に気づいていない状態なので、その人の考え方や行動パターンなど表面的なデータから探っていくしかありません。

代表的なリサーチ方法は、アンケートやインタビューから消費者のデータを分析してインサイトを見つけだすというものが一般的です。

ですが、リサーチ方法よりもどのような視点を持つかが非常に重要です。

それが、「固定概念に捉われない新しい視点でアプローチする」ということです。

インサイトは、商品そのものだけでなく「色」「形」「機能性」などあらゆる角度から総合的に考える必要があります。

商品開発やプロモーションにおいても、実際にどれだけ消費者のインサイトを汲み取りアプローチできるか、が売上に直結するというわけです。

実際のところ、インサイトは奇想天外な発想から生まれることは少なく、すでにある商品の特徴を別の角度から探ることで見えてくることが多いのです。

例えば、カップヌードルは、健康に良くないというカップラーメンのイメージを覆すため、低糖麺を使った商品を打ち出すといった新しい視点から人気商品の開発に成功しています。

何よりも、消費者の思考や行動に好奇心を持つことが大切ということになるわけですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

マーケティングにおけるインサイトは、抽象度が高いこともあり、概念を理解することが難しいですが、商品開発やプロモーションという面で非常に重要となります。

これからの時代、商品やサービスを売るために、消費者のインサイトをしっかり汲み取り、売上最大化に繋げていきましょう。