「UGC」という言葉を、あなたはご存知でしょうか?
SNSの普及にともない、個人による発信が力を持つようになった現代のマーケティング活動において、UGCは切っても切り離せない存在です。
本記事では、UGCの意味やメリット、活用事例から使用する際の注意点に至るまで幅広く解説していきます。
最後まで記事を読んで、日々のマーケティング活動にUGCを役立ててください。
UGCとは?
UGC(=User Generated Content)とは、ユーザーによって生成されたコンテンツの総称を意味します。
つまり、個人によるSNSの投稿やAmazonの口コミなど、消費者が発信するコンテンツのことであり、企業が発信するコンテンツはUGCに含みません。
他にも個人ブログやYou Tube動画など、今の世の中には、UGCが数え切れないほど存在しているのです。
実はこのUGC、あなたが想像するよりも、もっと重要な役割を担っているのです。
現代のマーケティングにおいてUGCを重要視すべき理由
上図は、商品やサービスを購入するときに、消費者がどんな情報を重視しているかというアンケート結果です。
一位のテレビに次いで、口コミサイトやSNSが上位を占めています。
2019年の段階でインターネット広告費が6年連続2桁成長で、テレビメディア広告費を超えていることから、いずれこの順位も入れ替わり、UGCが一位にくることは間違いないでしょう。
このように勢いのあるUGCを、単なる「個人の発信」として放っておくのは非常にもったいないといえます。
日頃のマーケティング活動にUGCを取り入れることで、もっと多くの消費者に訴求することができるようになるでしょう。
UGCを活用する3つのメリット
続いて、UGCを活用するメリットを3つ紹介していきます。
正しくメリットを把握することで、UGCを活用するポイントなども見えてきますよ。
- メリット①:新たな商品開発や施策のヒントになる
- メリット②:多くのユーザーに情報を届けることができる
- メリット③:広告と比較してユーザーに信頼されやすい
メリット①:新たな商品開発や施策のヒントになる
UGCに着目することで、通常のペルソナ(ペルソナ=消費者のターゲット像)設定より、もっと近い位置で消費者の好みやヒントを得ることができます。
例えば、自社商品を実際に使用した消費者のSNS投稿や口コミは、ユーザーが発信した生の声であり、「商品のこんなところが良い」や「この機能が使いにくい」など、新たな商品開発や施策のヒントになるのです。
ユーザーはこんなものを求めているに違いないという「憶測のペルソナ設定」はどの企業でもできるかもしれませんが、もっとリアルな意見を取り入れることができるのはUGCならではといえるでしょう。
メリット②:多くのユーザーに情報を届けることができる
自社の商品やサービスの情報をユーザーに届ける代表的な手法として、インターネット広告やメルマガが挙げられます。
しかし今の時代、UGCの大きなメリットであるSNSの「拡散機能」などを活用すれば、今までよりもっと多くのユーザーに情報を届けることができるんです。
この不特定多数に拡散する手法をバイラル・マーケティングともいい、商品が売れにくくなった現代において欠かすことのできないマーケティング手法のひとつとなっています。
バイラル・マーケティングは、インフルエンサーなどに依頼して意図的に情報を拡散してもらうケースもありますが、販売会社の意図しないところで商品やサービスの情報が拡散されていき売上が大きくアップするケースもあります。
その年に発売した商品がたまたま拡散され売上が伸びたとしても、翌年思い切り空振ってしまう可能性もあるので、バイラル・マーケティングを意図して行えるように心がけましょう。
メリット③:広告と比較してユーザーに信頼されやすい
ユーザーに向けて作られたインターネット広告は、どうしても信頼性という面で一押しが難しい側面があります。
なぜなら、ユーザーの多くが広告慣れをしている中、単純な広告などはユーザーの目にとまりづらくなっているからです。
しかし、実際に商品やサービスを使ってみたユーザーの生の声(UGC)だと話は別です。
対象のターゲットが「その商品やサービスに興味を持っている」という前提はあるものの、実際に使用した人の意見なので、広告と比較しても信頼されやすい傾向があります。
とはいえ、ユーザーに商品やサービスを発見してもらう広告自体が一切必要ないということではありません。
ユーザーの購買行動プロセスにおいて、適切なコミュニケーションを取ることが大切なのです。
UGCを最大限活用する3つの方法
続いて、UGCを最大限活用する方法について3つ紹介していきます。
活用方法を事前に知っておけば、いざというときUGCを適切に扱えるようになりますよ。
- ①SNS運用に力を入れる
- ②ファンや見込み顧客を大切に育てる
- ③魅力的な商品やサービスを提供する
方法①:SNS運用に力を入れる
近年、自社でSNSを運用している企業はとても増えてきています。
SNSには爆発的な拡散力があるので、自社の商品やサービスが消費者に拡散され人気に火がつけば、一気に売上が伸びることもあるでしょう。
それだけでなく、オリジナルのハッシュタグを作り、そのハッシュタグを付けて投稿を行うように促す「ハッシュタグキャンペーン」というユーザー参加型のキャンペーンなども取り入れれば、UGCの効果をさらに高めることができますよ。
方法②:ファンや見込み顧客を大切に育てる
冒頭でお伝えしたとおり、UGCとはユーザーが生成するコンテンツのことです。
つまり前提として、自社にとって有益なUGCを生み出すためには、ファンや見込み顧客の存在が何よりも大切だということ。
ユーザーの口コミに返信をしたり、Twitterの投稿をリツイートしたりなど、「ユーザーと接点を持つ」ことを心がけてみましょう。
そうすれば少しずつファンや見込み顧客が増えていき、売上にも繋がってくるはずです。
方法③:魅力的な商品やサービスを提供する
魅力的な商品やサービスを提供しないと、ユーザーはUGCを生み出してくれません。
例えば、新商品を発売したとしても、競合商品とあまりに酷似していたり具体的な特徴がなければ、ユーザーはわざわざ口コミもしないですしSNSで拡散もしてくれませんよね。
つまり言い換えれば、その商品独自の強みがとても大切になってくるということです。
UGCのことを考える前に、まずは魅力的かつ独自性のある商品やサービスを世に送り出して、ユーザーに認知してもらうことから始めましょう。
UGCを活用した3つの事例
UGCのメリットや活用方法を知っていただいたところで、いくつか事例もご紹介します。
実際に企業が実施した活用事例なので、参考にしてみてください。
UGC活用事例①:GoPro
GoProは世界でも有数なカメラブランドで、様々なイベントシーンに適した商品が存在します。
そんなGoPro社は、数多く投稿されたレビューの中でも「有益なレビュー」のみを厳選して、ユーザーが求めている情報だけ公開するようにしたのです。
そうすることでレビューを見たユーザーは余計な情報に踊らさせることなく、商品の魅力やデメリットなどを感じやすくなりました。
ユーザーのレビューがさらなる顧客を生み出す、とても面白い仕組みですね。
UGC活用事例②:H.I.S
旅行代理店であるH.I.Sが運営するInstagramアカウント「タビジョ」は、フォロワー数8.6万人を誇ります。
UGCを集めるためのハッシュタグである「#タビジョ」は多くのユーザーに旅行先で使用され、141万件以上の投稿がされました。
自分も旅行したいと思わせるような、魅力的なハッシュタグの活用事例だといえます。
UGC活用事例③:キリンビール
キリンビールは、若年層を中心としたキリンファンともコミュニケーションを取りたいとInstagramのアカウントを開設しました。
消費者がInstagramに投稿したキリンビールにまつわる画像を収集し、日々の投稿に活用することで「ファンの目線を通じた新たな切り口のコンテンツ」を得ることに成功したのです。
このようにUGCを活用した投稿は、通常の投稿と比較しても平均135%と高いエンゲージメント数値を獲得しています。
消費者とのSNSを通じたコミュニケーションが、さらにUGCを生み出す好循環となったわけですね。
まとめ:UGCとは
いかがでしたでしょうか。
企業の事例を通じて、現代のマーケティングでいかにUGCが効果的なのか知ることができたと思います。
UGCは商品やサービスの開発から消費者との接点に至るまで、様々なシーンでマーケティング施策を張り巡らせてようやく生み出せるものです。
その分、さらなる顧客を育てるには強力なコンテンツとなりますので、自社の武器となるUGCを生み出せるように日頃のマーケティング活動を行っていきましょう。