鬱や過労死などが問題視され、従業員の働き方が、近年社会問題へと発展しています。
そこで、働く従業員の心身を守るための施策の1つとして「ノー残業デー」が生まれました。
従業員が心も身体も健康な状態で仕事をするためには、残業を少なくすることが大切だと言われています。
今回は、会社と社員が「ノー残業デー」に取り組むことで得られる効果と、懸念される問題を解説していきたいと思います。
ノー残業デーとは
ノー残業デーとは、社員に定時退社をすることを推奨する取り組みのことを言います。
定時時刻や、定時退社日を設けている曜日・頻度は会社によって様々ですが、いずれにしても定時で仕事を切り上げるよう会社が社員に促します。
では、ノー残業デーに取り組むことで得られる効果とは、一体何があるのでしょうか。
早速、見ていきましょう。
ノー残業デーで得られる3つの効果
ノー残業デーで得られる効果として、下記3つがあげられています。
・労働生産性の向上
・社員のリテンション向上
それぞれについてもう少し解説しますね。
効果①:経費削減
国も、規定時間を超える所定外労働時間に対して、割増賃金の比率を上げるなどの処置を施しました。
そのため、会社にとってノー残業デーを導入し、社員の残業時間を減らすことは、社員へ支払う「残業代」を削減することに繋がります。
その他にも、残業時間を減らすことでオフィスの光熱費削減にも繋がります。
効果②:労働生産性の向上
ノー残業デー日は、原則残業はできないので、社員はそ日のタスクを「どのようにすれば業務時間内に終えることができるか」を考え仕事をするようになります。
これを習慣化することにより、結果的に社員ひとり1人が、従来よりも短時間で効率よく業務をさばけるようになる可能性がぐっと上がります。
時間内に業務を終わらせることで、業務の効率化と、企業の要となる生産性を高めていくことができます。
効果③:社員のリテンション向上
ノー残業デーを取り入れたことで、社員のワークライフバランスが充実し、健康を損なうことなく日々の業務に取り組むことが出来ます。
働きやすい職場環境は、社員のリテンションに繋がるだけでなく、新規採用時のアピールポイントにもなります。
ノー残業デーで懸念される2つの問題
ノー残業デーとは、会社と社員の双方にメリットが得られる制度だと理解していただけたと思います。
しかし、どんなことにも問題は生じます。
ノー残業デーで懸念される問題とは一体どんなもがあるのか、早速確認していきましょう。
問題①:他の曜日の残業時間が増える
ノー残業デーの日は、仕事が残っていたとしても定時で上がらなければなりません。
本来残業時間を使用して処理していた業務ができなくなると、おのずと他の曜日にしわ寄せがいきます。
そのため、ノー残業デーのしわ寄せを受けた曜日の残業時間が増えてしまうという問題が発生します。
問題②:他社とのアポイントメントが取りづらくなる
海外とやり取りのある会社であると、時差の都合で定時以降に仕事を行うケースもあります。
また、国内での取引であったとしても、定時以降で連絡が入る会社も多数あります。
このように、ノー残業デーの日は定時以降の連絡がとりにくくなってしまうため、急な対応が難しくなるでしょう。
番外編:みんなのノー残業デーの使い方
ノー残業デーが導入され、早めに仕事が切りあがったとしても、その時間をどう使うか。
あるいはどう使ったらいいのかで悩まれている方も意外と多いようです。
ここからは番外編として、みんながノー残業デーでできた時間をどう過ごしているかをみていきたいと思います。
ぜひ、悩んでいる方は参考にしてみてくださいね。
趣味・習い事に時間を使う
スポーツサークルややジム、語学学習など、趣味や習い事に時間を費やしている人が多いようです。
ノー残業デーは基本的に、会社ごとで施行される曜日が固定されているので、予定が組みやすいという背景あるようです。
毎週水曜日はサッカーのサークル、金曜日は定時であがれるから英会話教室に通うなど、毎週の楽しみができると、仕事へのモチベーションも上がりとてもいいですね。
家族・友人・恋人と過ごす
普段残業続きで早く帰宅できていなかった人にとっては、週に1回でも、家族・友人・恋人と過ごす時間が持てることは、双方にとってとても貴重ですよね。
食事にデート、家で子供とゲームをするなど、各々充実した時間を過ごしているようです。
ノー残業デーでできた時間は、自分のためにも、誰かのためにも使うことができるので、ぜひ、より良い時間を過ごしてくださいね。
ノー残業デーの効果とは:まとめ
いかがでしたでしょうか。
ノー残業デーで得られる効果に、懸念される問題を少しは理解していただけたのではないかと思います。
会社に取り入れるか迷っている、あるいは導入が決定している会社の従業員の方は、このノー残業デーという制度を「自分ならどう活かすか」を一度考えてみも良いかもしれませんね。